コトノハ

V6と三宅健くんについて綴るブログ。

V6の森田剛です






森田剛くん。彼は孤独な人。
V6メンバーの中で私がつい、目で追ってしまう人。

剛くんは近年は舞台俳優として活躍していて、
有名監督達から森田剛について語られることがある。

その中で蜷川幸雄監督が、
「森田君の武器は疎外感だね。世間との疎外感を体の中に持っている。この現実社会の中に自分の居場所がない。あるフリをしても体が正直に「居場所がない」と言ってしまっている。それはすごく得難いキャラクターです。」と語っていた。

疎外感という名の孤独感は、
彼の生まれ持った才能だと思う。
俳優としての剛くんに輝きを与えている。
誰もが持てる才能ではない。





けれど、思う。
彼はジャニーズ事務所のV6というアイドルだ。
ジャニーズアイドルと孤独感はしっくりこない。
俳優としては素晴らしい才能だ。
けど、アイドルとしては
喜ぶことのできる才能ではない気がする。

前の記事でも書いたが、
私の思うアイドルはキラキラしていて、
「僕のことを応援してくれてありがとう!」と
愛想たっぷりにサラッと言うようなイメージ。

けど、森田剛はキラキラというイメージはない。
持っているとしたら、
太陽のようなキラキラ感ではなく、
月のようなキラキラ感だとは思うけど。

それに、彼が笑顔で愛想たっぷりに
言葉を述べるイメージもない。

コメント1つを見ても、
他の5人が「V6でよかった!感謝してます!」
みたいなことを言っていても、彼だけは
「V6はV6ですよね。仕事仲間じゃないですかね?」と
コメントをしていた。

V6ファンになったばかりの頃の私は
その時、少し胸が痛んだ。
他の5人が同じ温度で、
彼だけは温度が違うんだと。低いんだと。


だからこそ、孤独感を持った剛くんが
V6に20年もいることが不思議で仕方がなかった。







それから彼を目で追うようになった。
彼の言葉が気になるようになった。
彼のことを1つずつ知っていく。


坂本くんと喧嘩した日のことを、
「坂本くんにはわかってほしかったんだ」
と語っていた剛くん。

長野くんに「ババアだな!」と爆笑しながら
毒舌を吐く剛くん。

24時間テレビのマラソンランナーとして走り、
体力の限界がきている自分に
マッサージしてくれるイノッチを見て、
泣いちゃう剛くん。

健くんからあんなに激しくスキンシップされても
当たり前かのように何もリアクションせずに
されるがままの剛くん。

「岡田にはV6でいる時くらいは何も考えずに笑っててほしい」
と言う剛くん。

「V6のファンは最強だと思ってるんで」と
ファンに伝える剛くん。

他の5人がファンの為にV6を想っていて、
彼はファンを想うV6を想っている。

孤独感を持った彼だけど、静かに深く。
強く想っている。


「V6メンバーの悪口を言う奴がいて。本気でムカついた」

という言葉が彼の口から出るくらい。

その時、私は思った。
彼のエースたる所以はこれなんだと。
彼だけ温度が低いと思っていた。違った。
V6を大切に想う形が違うだけ。

少し悲しい例え話。
他の5人がV6の解散を本気で怒って嫌がるとしたら、
彼は多分、いいよって静かに言うんだろう。


去る者追わず、来る者拒まず


解散したとしたら。
他の5人は気持ちに抑揚がありながらも
乗り越えて強く生きていくと思う。

逆に彼は解散したとしても、今までと変わらずに
抑揚ない気持ちで生きていくんだと思う。
けど、今まで以上に孤独な人になるんだろう。

そんな気がする。







11/01を迎える少し前に、
他の5人は20周年の感動が
表から伝わってくるだろうけど、
剛くんはいつも通りなんだろうなあと考えていた。






「メンバーは宝物です」
「僕の人生にみんながいて。みんなの人生に僕がいて嬉しいです」
「ソロの仕事の時は緊張してお腹が空かないけど、V6の仕事の時はお腹が空く」 

20周年のタイミングで彼はこう語っていた。
いつものように、俯きながら、静かにボソッと。
こんな温かい言葉をいつものように遠回しではなく
ストレートに言ってくれるとは思わず、ビックリした。

20周年の魔法は彼にもちゃんとかかっていた。















他のメンバーがV6に対して、この20年
どのように向き合ってきたのかは
たくさんのインタビューで知っていた。

けど、剛くんは一貫して
「記憶がないんですよね」と
言っていた。
多くを語らない人だとわかってはいるものの、
ファンとしては少し寂しかった。

彼は周りからどう見られようと気にしない。
もはや、V6やファンからも。
だからこそ、多くを語らない。
冷たく思われるくらいに端的に言葉を発する。






11/01。
彼はファンからのリボンシャワーを受けて、
他のメンバーが「わあー!」と喜ぶ中、
コンサート中なのを忘れて、真っ先に
ファンに背中を向けて座り込んで。
1つずつリボンを読み込んでいた。


あの背中を見て、全てわかった。
彼がV6とどう向き合ってきたのか。


森田剛は不器用な人だ。
いや、V6メンバーはみんな、不器用な人なんだ。
そこだけは6人の共通点かもしれない。








私は嬉しい。
森田剛という孤独感を持ったアイドルらしくない人が
V6に20年もいること。

私は嬉しい。
V6にいると彼は
微笑んだり、八重歯を見せるほど大笑いしたりと
様々な笑顔を見せてくれること。




彼が他のメンバーと違うところはもう1つある。
他のメンバーはいきなり話し始めるのに対して、
彼だけは必ずと言っていいほど、
「V6の森田剛です」から始まる。

V6の絶対的エースは小さい背中で、
「V6の森田剛です」とこれからも
メンバーの後ろでボソボソ話すんだろうな。